圧力計メーカーの株式会社木幡計器製作所(本社:大阪市大正区、代表取締役:木幡 巌、以下「木幡計器」と略)とIoTプラットフォームを開発する株式会社obniz(本社:東京都豊島区、代表取締役:佐藤 雄紀、以下「obniz」と略)は、この度、業務提携し、木幡計器の後付けIoTセンサユニット「Salta ®(サルタ)」シリーズと、Bluetooth Low Energy(以下、BLEと略)通信で接続連携可能な、新型通信機器のGPS内臓型BLE/WiFi/LTEゲートウェイに、obnizが環境構築するクラウドサービスにて、従来の工場や設備機器の監視のみならず、車両等の搬送移動体に搭載される既設のアナログ圧力計にもSaltaシリーズの後付けセンサを装備して通信し、クラウドサーバへデータ転送することで、場所を問わず計器の状態を遠隔監視することが可能に。
特に、ガス、石油、化学業界において利用されるタンクローリー車や、タンク式鉄道貨物などで搬送される可燃性の危険のある流体の、搬送時の圧力温度などの状態監視を容易になった。
木幡計器では、今後、こうした分野での安全監視ニーズの課題を解消すべく事業展開を積極的に行っていく。
【両社業務提携の背景について】
近年、我が国の労働人口の減少と、景気低迷なども相まって、製造業や物流業界における人材不足は、年々、深刻化しつつある。そうした背景からも、こうした業界では、DXによる現場業務の効率化は、人材不足課題の解消に向けて余儀なくされつつある。
木幡計器は、これまで、計器専業メーカーとして、創業1909年以来、長年、工場や施設の現場で多く活用されているブルドン管圧力計や温度計等の計器類を製造してきた。さらに2010年頃からは、これら計器の検針設備点検業務を、DX技術の活用により業務効率化すべくDX製品の開発に注力し、2020年9月に、自社開発製品として「後付けIoTセンサSalta®」上市した。同製品は、「レトロフィットDX」をコンセプトに、機械式計器の指針中心軸への磁石装着と、ガラス一体型の後付けIoTセンサユニットと従来の計器ガラスを交換することで、容易に機械式計器を後付けでデジタル化して、無線データ送信により、遠隔監視ができる「遠隔監視システム」である。
また続いて2024年2月には、市場要望の高かった爆発危険エリアで利用される機械式計器のDXを実現する「防爆型後付けIoTユニットSalta®-Ex」を新たに追加リリースした。
以降、木幡計器では、鉄鋼、自動車、機械、繊維、石油、ガス、化学、公共施設等の各業界で、これらの製品の納入実績を重ね、既に一般非防爆品Salta®と防爆品Salta®-Exの双方併せて、累計受注台数は約5,000台を超え、市場での好評を得ている。
一方、obnizは2014年11月に設立された日本発のIoTスタートアップ企業で、「Make Everything Online(すべてのモノをオンライン化する)」をビジョンに掲げ、ハードウェアとクラウドを融合した独自のIoTプラットフォームを開発・提供している。同社の技術的特徴となるファームウェアレス技術(デバイス側にファームウェアを必要とせず、クラウド上でプログラムを管理・実行することで、開発・運用の効率化とコスト削減を実現する)を活用したWi-FiやBluetoothを搭載したマイコンボード製品の「obniz Bord」は、独自のobniz OSをインストールすることで、クラウド経由で電子回路を制御できる。また機器の遠隔メンテナンスを可能にするオールインIoTワンプラットフォームのクラウド監視システム「obniz Now」は、独自OSのobniz OSを活用し、装置のエラー検知や履歴の可視化、設定変更などを実現する。既に2025年5月時点で、累計販売台数は2万台以上に達している。
今回の「Salta®」と、以下の新製品、GPS搭載BLE-LTEゲートウェイ「SIGW-02」から、専用クラウド「obniz Now」の連携により、圧力計の針の動きを自動で読み取り、GPS、LTEの搭載ゲートウェイからは、クラウド上にリアルタイム送信することで、スマートフォンやPCを通じて、いつでも・どこでも危険流体や高圧のガス圧などの流体の状況を把握できる体制が構築される。特にタンクローリー車や、高圧ガスを輸送するタンクコンテナ積載の貨物列車など移動体での、遠隔監視による安全確認が可能となることが期待される。
【GPS搭載BLE-LTEゲートウェイ「SIGW-02」について】

■製品特徴
①コンパクト
②センサからの、受信感度が高い、
③obniz OSの採用によりデバイス側はファームウェアレスで、クラウド上からのプログラム管理が
可能
■スペック
・(W)70.3×(H)50.4×(D)17mm
・電源:5V(DC)
・消費電力:0.5W(最大5W)
・インターネット接続:LPWA:LTE CatM1、NB-IoT/ Wi-Fi:2Ghz(b/g/n)
・アンテナ:LPWA:SMAコネクタ、外付けアンテナ/ Wi-Fi:内蔵アンテナ/GNSS:SMAコネクタ、外付けアンテナ
・内蔵センサ:GPS/GNSS、温度センサ、加速度センサ
・コンポーネント:接続状態常時LED×1、設定ボタン×1
・無線接続方式:Bluetooth5.0
・有線接続方式:Analog In、Digital In/Out、USB(ODCプロファイル)
・取り付け方法:ネジ固定
・動作環境:温度:-10℃~60℃
・消費電流:平均 0.5W / 最大 5W ※なお、内臓GPSによる専用クラウドでの位置測位機能の本格運用は、来年2026年年初の予定となり、それまでは、拡張GPSアンテナの利用により対応することになる。
【設置実用例】

1. 貨物列車での高圧ガス輸送監視
高圧ガスを輸送するタンクコンテナ積載の貨物列車にSaltaを設置。走行中の圧力状態をGPSとLTE通信でリアルタイムにクラウド送信。拠点側で走行中の状況を常時把握できるため、緊急時の対応や輸送中のリスク管理に大きく貢献。
2. タンクローリー車での可搬用圧力監視
危険物を輸送するタンクローリーに取り付け、移動中の圧力変動を遠隔監視。車両の現在地と合わせた管理ができることで、輸送中の安全性とトレーサビリティが向上。
3. 工場内の配管設備に後付け導入
既設のアナログ圧力計に後付けでSaltaを取り付け、設備改修不要でIoT化。異常検知や巡回点検の省力化により、人手不足対策にも効果的。
4. インフラ施設(浄水場・ポンプ場)での常時監視
遠隔地にある設備でも、Salta + obniz Nowによる24時間体制の監視が可能。休日や夜間でも状況を把握でき、迅速な異常対応と保守性の向上を実現。
5. 中小工場のエア供給設備に導入
エア圧の急変や低下を早期に検知し、計画的なメンテナンスや部品交換が可能に。生産ラインの停止リスクを軽減。
このように、固定設備から移動体まで幅広い現場に対応できるのが、Saltaとobniz Nowの大きな強み。
特に可搬設備・危険物輸送・インフラ監視において、簡便かつ高精度な圧力モニタリングを求める企業にとって、導入価値の高いソリューションである。
【製品・サービス発表】
■製品名:GPS搭載BLE-LTEゲートウェイ「SIGW-02」
■リリース日:2025年6月4日
■展示会での新製品発表
①「AXIA EXPO 2025 スマートファクトリー展」 AXIA EXPO 2025
開催期間:2025年6月4日~6日 会場:Aichi Sky EXPO(愛知県国際会議場)ブースNo.D-32
②「第7回 今すぐ使える!IoT・AI・ロボット展」 第7回 今すぐ使える!! IoT・AI・ロボット展
開催日:2025年6月6日 会場:神戸サンボーホール ブース番号:IoT分野⑥
【この件に関する報道機関からの問い合わせ先】
株式会社木幡計器製作所(担当: Saltaチーム)
TEL:06-6552-0545
Email:salta@kobata.co.jp